南房総市立千倉小学校 Chikura Elementary school

校内研修

1研究主題

「地域に愛着をもち、たくましく生きる児童の育成」

~主体的に探究する生活単元学習、生活科、総合的な学習の時間の学習を通して~


2主題設定の理由

情報化、グローバル化が急速に進展している今日、私たちは、少子高齢化、地域のまとまりや教育力の低下、人間関係の希薄化など、様々な問題に直面している。また、今の子どもたちが成人して社会で活躍する頃は、社会構造や雇用環境が急速に変化し、予測が困難な時代を迎えていると予想されている。
このような時代に備えて、学校教育では、予測困難な社会の変化に主体的に関わり、感性を豊かに働かせながら、自ら考え、よりよい社会と幸福な人生の創り手となる力を身に付けられるようにすることが重要である。つまり、学校教育が長年その育成を目指してきた「生きる力」を付けることが今後も求められているのである。また、新指導要領では「生きる力」を育むために、全ての教科等の目標及び内容が「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力」「学びに向かう力、人間性」の3つの柱で再整理された。このような力を育成するためには、教科等横断的な学習を充実することや「主体的で深い学び」の実現に向けた授業改善をすることが求められている。
本校は、全教育活動において「夢に向かってたくましく生きる子の育成」を目指している。本校の子どもたちは、与えられた課題について既習事項を使って様々に考え、解決することができる。しかし、課題を自ら見出しとことん追究したり、臨機応変に対応したりする姿はあまり見られない。このことから、本校の子どもたちに必要な力は、まさに「たくましさ=生きる力」であると捉えた。
「夢に向かってたくましく生きる子」を育成するためには、まず、「解決したい!解決しなければ!」という課題を見出して、自らの力や他者と協働的に問題解決し、考えや結果を発信したりする力を育成することが、今後激しく変化する社会の中でたくましく生きぬくための基盤になると考えた。そのためには、子どもたちが主体的に課題解決できるよう、子どもたちの興味関心を持続させる手立てや支援を工夫することが重要であると考える。
そこで、一昨年度から、「地域に愛着をもち、たくましく生きる子どもたちの育成」を研究テーマとし、生活科・総合的な学習の時間、生活単元の学習で、子どもたちが主体的に課題解決できるよう、職員が一丸となって単元開発に努めることとした。今年度はさらに、「主体的で深い学び」の実現に向けた授業改善、授業実践を積み重ね、子どもたちに「たくましく生きる力」をつけていきたいと考える。
本校がある千倉地区は美しい自然と歴史をもつ漁業のまちとして栄えてきた。恵まれた環境を活かし、地域の自然・歴史と文化に主体的に関わり、仲間と協働的に学ぶ活動を重視していく。
これからの予測困難な社会を生き抜いていくためには、課題に対して主体的に関わる力、学んだことをもとに考え発信する力が必要である。自然豊かな「千倉」を地域素材として活用し、人との関わりの中で問題解決できた経験は、子どもたちの自信となり、たくましさを育てることにもつながるのではないかと考える。さらに、「千倉が好きだ」という地域への愛着を育てることもできる。
以上のことから、本研究のテーマを設定した。


3研究の概要
(1)研究のねらい
〇地域に愛着をもち、たくましく生きる児童を育成するための有効な手立てを、単元開発や授業改善を図ることを通して、成果と課題を明らかにする。
(2)研究の内容
・部会(低学年・中学年・高学年・特別支援)に分かれ、目指す「たくましく生きる子どもたち」を明らかにし、「生活科・総合的な学習の時間」「生活単元」で年間指導計画の見直し、教材開発をする
・理論研修や講師招聘の授業研究を行い、手立ての有効性について検証する。
・有効な手立てを設定し、授業実践の充実を図る。
・日常実践の様子や研究授業からの子どもたちの変容などから研究のまとめを行い、成果と課題を明らかにする。
・たくましく生きる子どもたちの育成の土台となる基礎・基本の定着を図るために、各教科の授業を充実させ学力向上推進委員会と連携を図る。