南房総市立富浦中学校 Tomiura Junior High School

校内研修

令和3年度富浦中学校研究計画



1研究主題
主体的に学ぶ生徒の育成
~「見通す・振り返る」場面を設定した学習指導を通して~


2研究主題設定の理由


(1) 社会・環境・時代の変化からの要請

近年、情報化・グローバル化の加速度的進展やAIの飛躍的な発達により、社会は大きく、そして激しく変化している。そのような予測困難な時代にあっても、子どもたちには、前向きに変化を受け止め、より良い豊かな未来の創り手になっていくことが期待されている。生徒にとっての学校教育とは、社会に羽ばたくための土台作りの場である。平成29年度に文部科学省が発表した「新しい学習指導要領の考え方」(平成28年12月21日中央教育審議会答申より)の中で、「生きる力」とは「様々な情報や出来事を受け止め、主体的に判断しながら、自分を社会の中でどのように位置付け、社会をどう描くかを考え、他者と一緒に生き、課題を解決していくための力」としている。つまり、社会の変化に対応し、生き抜くために必要な資質・能力を備えた生徒たちを育むために、今回の学習指導要領は改定されたのである。

学習指導要領では、育成すべき資質・能力の三つの柱(「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」)が示されている。これら3つの資質・能力を育成する上で、生徒の主体的な学びは大きな関わりを持っている。


(2)学校教育目標から

本校では生徒の生きる力を育成するために、『志と優しさを持ち、文武両道に励む富浦中』を学校教育目標とし、『知・情・意』を育むことを目指している。また、『挑戦=チャレンジ富浦!』をスローガンに、生徒一人一人の力を最大限に伸ばすための教育活動を推進していくことを目標の一つとしている。それらを達成するための教育活動は多岐にわたるが、その中でも最も多くの時間を占めるのは授業である。そのためには、教員の授業力の向上と生徒自身が学びを必要とし、主体的に学ぼうとする姿勢が学校教育目標の達成に必要不可欠であると考える。


(3)主体的・対話的で深い学びの視点から

4年前からの校内研修では「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善を行ってきた。昨年度の校内研修では、新学習指導要領全面実施を控え、各教科で「指導と評価の一体化」を意識した評価規準を定め、年間指導計画を作成した。その中で、特に主体的に学習に取り組む態度に焦点を当てた。


(4)生徒の実態から

本校生徒は、決められたことは素直にやろうとし、真面目で穏やかではあるが受け身的であり、困難なことを諦めがちな実態があることは否めない。また、普段の学習活動の観察や評価、全国学力・学習状況調査の結果、市内一斉テストの結果等から、生徒全体の傾向として「思考力・判断力・表現力」「学びの定着」「主体的に考える」ことに課題がある。それらの課題の改善には、単元全体や授業の目標を意識させ、学びを「見通し、振り返る」こと、学習の過程で生徒自身が粘り強く課題に取り組み、気づき、学びの工夫をすることが必要であろう。また、単元の最終段階では自らの言葉で思考の過程の振り返りや学びのまとめを書き、深い学びにつなげ、定着につなげたい。


以上のことから、本校では研究主題として「主体的に学ぶ生徒の育成~『見通す・振り返る』場面を設定した学習指導を通して~」を設定した。



3めざす生徒像
上記のことから、めざす生徒の姿として次の4点を挙げる。


①自らの課題や成長に気づき、解決の見通しをもち、振り返ることのできる生徒。
②自らの言葉で学びのまとめを表現できる生徒。
③粘り強く課題に取り組む中で、新たな気づきをもつ(新たな学びへと向かう)ことができる生徒。
④自らの学習を調整しようとすることができる生徒。



4研究内容

(1)学習目標を生徒に提示し、学習過程の工夫と振り返りの徹底を図る。

(2)学習過程の中で、生徒自身が粘り強く取り組み、自己調整できる指導の工夫を図る。

(3)工夫された授業の実践を重ね、評価を通じて指導方法を振り返り、指導力の向上を図る。